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歯茎の黒ずみが気になる方へ
歯茎や歯に黒ずみが生じている場合は、メタルタトゥーが疑われます。銀歯や金属製のコアが入っている場合は、メタルタトゥーの可能性が高いです。口元の審美性を大きく低下させることがある歯茎の黒ずみ。このページではメタルタトゥーの特徴や原因、治療法などを解説します。
メタルタトゥーとは
メタルタトゥーとは、歯茎や歯に生じる色素沈着症の一種です。金属アレルギーのような炎症反応や機能障害が生じる病気ではないため、軽視されることも少なくありません。その一方で、審美障害に悩まされる方もいらっしゃいます。
メタルタトゥーの原因
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メタルタトゥーの原因としては、次のような装置や処置が考えられます。
銀歯(詰め物・被せ物)
メタルコア(金属製の土台)
歯科用合金の主成分となっている「銀」は、イオン化して溶け出すことで、歯茎の結合組織に沈着しやすくなります。それは歯冠そのものを回復させる被せ物(メタルクラウン)だけではなく、失った歯質の一部を補う詰め物(メタルインレー)でも起こり得る現象です。
被せ物を装着する際の土台となる「メタルコア」も金属イオンの溶出が認められる装置であり、歯茎や歯に色素を沈着させる恐れがあります。
メタルタトゥーを放置するリスク
歯茎や歯の色素沈着症であるメタルタトゥーは、ただちにお口や全身の健康を害するようなリスクは伴いません。そこは皮膚の色素沈着と異なる点といえます。皮膚の場合は、色素沈着の背景に重篤な全身疾患が隠れている可能性もありますが、メタルタトゥーは原因が明らかであり、口腔粘膜に対する直接的な害も確認されていないのです。
ただし、審美面においては、大きなリスクを伴います。歯茎や歯がメタルタトゥーによって黒ずんでいると、それだけで「不健康」「不潔」「不衛生」といった印象を与えかねません。実際、メタルタトゥーがコンプレックスとなり、人前で口を開けられない、話すときは口元を隠す癖がついた、といった方は少なくないのです。それは精神衛生上、良くありませんので、そういう意味では適切な方法で改善するのが望ましいです。
メタルタトゥーの治療方法
メタルタトゥーの症状を改善するためには、以下のような治療が必要となります。
金属補綴物を撤去する
メタルタトゥーの根本的な原因となっている銀歯やメタルコアなどを撤去することは必須となります。金属製の補綴物を取り除いたら、金属を使用しない材料で治療をやり直します。
メタルフリー治療
メタルタトゥーの再発を防ぐためには、レジンやセラミックといった金属を使用しない材料で修復しなおす必要があります。具体的には、歯の土台と言われる“コア”が金属である場合にはそこからやり直しが必要となります。
アウルデンタルクリニックからのメッセージ
千葉県歯科医師会では、「80歳になるまでに29本の天然の歯を残す」というスローガンを提唱しています。年齢を重ねても29本以上の歯が残っていることで、食事や会話を楽しむ・全身の健康を守ることにつながります。
80歳までに29本の歯を残すことは、簡単なようで意外に難しいものです。虫歯や歯周病が進むと歯の奥にまでダメージが及び、歯を失うリスクが高まるためです。天然の歯をなくすリスクを軽減するには、普段からの予防への意識が欠かせません。
PMTCとエアーフローによるメンテナンスをしっかり行うことで、いくつになっても健康な口腔環境を整えていきましょう。