全顎補綴とは
全顎補綴(ぜんがくほてつ)とは、患者様のお口全体の機能を向上させるために行う治療で、「フルマウスリコンストラクション」と呼ばれることもあります。
全顎補綴治療では、上下の歯列全体の噛み合わせや審美性、顎関節の運動まで考慮した治療計画を立案します。このように患者様お一人お一人に最善といえる計画を元に包括的な治療を行うことで、失われたお口の機能の回復をしています。
治療のパターン
全顎補綴の治療パターンは、次の4つに大きく分けられます。
保険診療での全顎治療 | 矯正なし・外科矯正なし |
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矯正あり・外科矯正なし | 矯正あり・外科矯正あり |
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※これらの治療前に応急処置・歯周病治療が必要です。
全顎補綴は次に挙げるような方に
おすすめです。
- ・銀歯が目立ち、話したり笑ったりするときに恥ずかしく感じる
- ・セラミックを使ってきれいな歯並びがほしい
- ・天然の歯に近い詰め物・被せ物治療を受けたい
- ・安定した材質でアレルギーの心配のない詰め物・被せ物治療を受けたい
- ・しっかり噛める人工歯や装置が欲しい
- ・高齢になってもなんでも食べたい
- ・ぐちゃぐちゃな咬み合わせをなおして咬める様になりたい
全顎補綴では、天然歯の色調や光沢、透明感を忠実に再現できるセラミックを使用するため、銀歯による審美障害や金属アレルギーのリスクを回避できます。
セラミックは安定性の高い素材であり、経年的な変色・劣化・摩耗もほとんど起こらないので、健康的で美しい状態を5年、10年維持し続けることは難しくありません。歯を丸ごと1本失った症例では、インプラントを埋め込むことで本物の歯の噛み心地や見た目を取り戻すことが可能です。
そしてなによりも全顎補綴では、歯を痛める悪いクセを除去し歯周病により失われた歯、歯肉、歯槽骨を回復させ、さらに、歯列矯正や外科矯正も組み合わせることで、正常な咬み合わせを獲得することで、お口全体の機能の回復・向上が目指せるのです。
その結果、高齢になってもご自身の歯でしっかり噛み続けることが出来ます。
全顎補綴のメリット、デメリット
治療のパターン | 保険診療 | 矯正×外科矯正× | 矯正○外科矯正× | 矯正○外科矯正○ |
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メリット |
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デメリット |
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全顎補綴の流れ
全顎補綴は、次のような流れで進行します。
【検査と治療の流れ】
STEP1 初診
一通りの問題点を見つけた上で、患者様のお悩みや治療へのご要望等をお伺いします。
STEP2 衛生士によるクリーニング
衛生士による、歯周病の検査とクリーニングを行います。一緒にご自宅でのケアの仕方についてもご指導致します。
STEP3 各種検査
お口の中の症状にあわせて、必要な検査を行って参ります。
STEP4 1次コンサルティング
これまでの検査をもとに、必要な治療のご提案をさせて頂きます。この時点では最終的ご決断頂かなくて結構です。
STEP5 2次コンサルティング
これまでのお話し合いの内容をもとに金額を算定致しますので、これを元に決めて頂きます。
【治療の流れ】
STEP6 治療の開始
お口の中を1つの単位と考えた全顎治療のスタートです。歯や歯茎、顎関節、歯列全体の噛み合わせまで考慮した治療となるため、アプローチも多角的となります。最終的な補綴物を装着するまでにはそれなりの期間がかかりますが、私たちとともに頑張ってやり遂げましょう。
STEP7 メンテナンス
全顎的な治療が完了したら、メンテナンスへと移行します。3~6ヵ月に1回くらいの頻度でご来院いただくことで、全顎補綴による成果を維持できます。
全顎補綴をご検討の方へ
私たちの口は、歯1本で機能しているのではなく、歯を支える歯肉・歯槽骨、隣接する歯、噛み合う歯、顎関節など、さまざまな組織・器官が連携しながら“噛む”という機能が成り立っています。
そのため、歯一本を失ったままにしてしまってもお口本来の機能を維持回復させることは難しいです。
当院の全顎補綴なら、顔貌の非対称から始まり、顎関節や歯並び・かみ合わせの異常、歯に大きな負担をかけている悪習癖に至るまで、口腔機能に悪影響をもたらしている要素を一つひとつ取り除いていくことが可能です。
その先にあるのは、患者様の理想やご要望を反映させた美しくて健康的な補綴物です。最終的な装置がブリッジになるのかインプラントになるのかはケースによって異なりますが、長期的な健康が得られる口腔環境が手に入ることは間違いありません。
全顎補綴をご検討中の方は、いつでもお気軽にアウルデンタルクリニックまでご相談ください。ご納得頂いてから治療を開始いたしますのでご安心ください。